#014 SHOGO SEKINE(イラストレーター)
“balance is my beauty”
人によって「美」の捉え方は異なります。
僕にとっての「美」とは、「バランス」です。
イラストを描く上で特に美しい絵を描こうとは思わないのですが、クライアントワークもプライベートワークも、
「とにかくバランスを考えに考えた絵にしよう」
という気持ちを持って毎日ペンを握っています。
なので、僕にとってバランスはライフラインです。
結局絵の良し悪しは他人が決めることなので、せめて自分が納得のいくバランスの取れた絵になるように努めています。
僕の中のバランスがいい絵というのは、配色や空間の空き、文字や線の描き方などが、心地良いもの。
自分でしかわからないのですが(笑)、まぁそんなところです。
そのバランスはどこで学べるのか?
答えはというと、毎日の日常の中にヒントが転がっています。
人・自然・動物・昆虫・洋服・絵画・音楽・図鑑。
なんでも僕のインスピレーションにつながり、勉強になります。
特に動物や昆虫、熱帯魚などの配色や模様の構図などは、なかなか思いつかないものがあるので勉強になります。
つまり24時間365日、見たもの・聞いたもの・触れたもの、すべての「美」が制作に繋がります。
毎日毎日バランスの良いと思ったものを自分の中に蓄積していくことで、自然と心地いいものと心地悪いものの精査ができる気がしています。(まだまだですが。)
精査というと大げさですが、要は自分の中で心地いいものが「美」、心地悪いものが「美じゃない」ということになります。
なので心地よくなるまで、結構何度も描き直しています(笑)。
そもそも「美」とは、ただただいいなーと羨ましがるものではなく、自分の中に取り入れるもの。
「なぜ美しいのか?」
「なぜみんなが美しいと言うのか?」
まず美を疑い、勉強する。
なぜならみんなが言う「美」は、自分にはフィットしないものかもしれないわけで。
美の価値観は感じる人によって違うので、合わせる必要は全くないと僕は思っています。
自分だけの「美」を見つけらればいいと。
淡々と生活せず、常に疑い、追求することで見えてくるものがあると思います。
そのために僕も、あらゆる事象を常に疑い、果たして自分の中に本当に必要な情報かどうかを考えながら生活しています。
全部拾ったら頭がパンクしてしまいますので、仕分けは当然必要となります。
その仕分けの中で拾ったものが、自分の中の「美の種」になり、自分の絵の中に生きるのだと信じています。
冒頭にも書きましたが、美しい絵を描きたいわけではありません。
美しい絵を描く人はこの世にゴマンといるので(笑)。
僕は、僕の絵を見た女の子たちが笑顔になったり、落ち込んでたのに元気になったり、人に言いたくなったり、ワクワクしてくれたりしたら、大成功なんです。
そのために「美」を吸収し、学び、自分の絵に生かせるように、これからも努力していきたいのです。
「何事もバランス良く。」