#028 菊池 亜希子(女優・モデル)
まっさらよりも美しいもの。
私は、そういう類の「美しさ」を信じたいといつも思っている。
突然だけど、私はアイドルが好きだ。10代の女の子たちは、ただそれだけで魅力的である。歌って踊って汗をかき、そして涙する姿は単純に美しい。そして、儚い。この若さゆえの美しさというものは物凄く刹那的で、そのことをきっと彼女たち自身が一番わかっているからこそ、限られた時間の中で輝ききろうとする姿に、心を打たれるのだと思う。
「若さ」は永遠ではない。だから魅力的なのであって、若く居続けることがいいことだとは、私は思わない。
「何歳に見えますか?」「実は○歳なんです!」「えー! 見えない!!」みたいなくだりに、私は1ミリも心がときめかない。例えば60歳の女性が、60年間生きてきたという気配をしっかりと纏って、きちんと60歳に見えることのほうが、断然ステキだなと思う。
10代の女の子にも、私にも、おばさんにも、おばあちゃんにも。時間はみんなに平等に流れている。流れに逆らわず、丁寧に時を重ねる姿は、美しくて愛おしい。
それはなにも、人に限ったことではない。毛玉だらけのセーター、皺の入った革靴、くたびれたテディベア、ページがこぼれ落ちそうな古い本。私のまわりには、時を重ねて愛おしさを増した宝物たちがたくさんいる。彼らを、まっさらでぴかぴかな状態にしたいなんて思わない。丁寧に毛玉をとって、それでも取りきれない毛玉たちを撫でながらタンスにしまったり、刻まれた皺にさらに磨きをかけたり。そうやって宝物と向き合う時間が私には必要で、自分自身ともそうやって向き合っていたいと思う。
30代の私が、おニューのまっさらなワンピースを買う。袖を通した瞬間、10代の少女のようにピカピカと心が輝く。と同時に、これを着た60歳の私を想像して、「うん、なかなかお似合いよ」なんて考えてニヤニヤしたりする。このワンピースとこれから一緒に時を重ねられることが、とても嬉しい。
時間はいつだって流れていて、歴史は続いてゆき、そして物語はいつだって始められる。私は美しい魔女になるよりも、たくさんの物語をたくさん抱えた笑い皺たっぷりのおばあちゃんになりたい。そのためにも、ワクワクしながら日々を重ねていきたいなあと思う。
- THREE QUESTIONS -
Q1 人間としての「美しさ」は、どんなところに表れると思いますか? A1 言葉。声も含めて、その人の本質が現れると思います。ふとしたときに発せられる言葉が美しい人は、容姿とは関係なく輝いて見えます。 Q2 パーティーのときや大切な人に会う前日など、「美しい自分でありたい」オケージョンの際に、必ずとる行動や習慣は? A2 明日着る洋服や靴を用意して、ニヤニヤ眺めながらスキンケアをする。遠足の前の子供のような感じです。楽しみな気持ちを最大限に膨らませてベッドに入ります。 Q3 お気に入りのTHREEのアイテムと、その理由を教えてください。 A3 スキンケア用品全般を愛用しています。匂いや質感が過不足なく丁度よくて、プレーンな自分になれる感じがします。 THREEというブランドには、プレーンでフラットという印象があります。無理な力を加えず、まっさらな自分と向き合わせてくれる、そんなイメージ。 菊池 亜希子さんのお気に入りアイテム一覧・THREE バランシング クレンジング オイル ・THREE バランシング ローション ・THREE バランシング エマルジョン ・THREE バランシング クリーム