「美しいと感じるのは」 と聞かれたときにまず頭に浮かんで来たのは、 先日行った長野県で見た朝の景色でした。 なだらかな山を登った先に見えた 朝焼けに浮かぶ雲海と 少しずつ色づいて変わってきた樹々の紅葉。 目に映る景色の美しさに増して 全身で感じる空気の清々しい香りや濃度。 耳には、風の音と鳥の声。 何もかもが、ほんの少し前まで居た世界の感覚とは違い、 その美しさに没頭してしまいました。 東京に居るときにも近い感覚があったなと思い出してみると、 朝日が窓から入る瞬間や、風が抜ける感触。 お客さんをお出迎えするときの、何となく部屋が生き生きしている様子など…… やはり、その場の空気の、見えないけれど見えるような感覚を美しいと感じます。 そういえば、目鼻立ちがはっきりしていたりお洒落だったりと、 見てすぐに美しいと思える人も、 実際はその人が纏っている美しい空気によって その美しさが際立っている気がします。 きっと誰もが、普段の過ごし方や日々の考えごとなど 些細な毎日を大事にすることで 美しい空気を纏っていくのだろうなと思います。 その空気があってこそ、TPOに合わせた化粧も より美しく引き立つのではと感じます。