自身も10代の頃から歌手として
活動を続けている坂本美雨さん。
妊娠・出産をきっかけに、
ここ5〜6年は常に変化の中にいると語る。
自身のことを“面倒くさがり”という美雨さんの、
日常生活における自分らしいバランスの見つけ方とは。
母から娘へ。
受け継がれている大切なエッセンス。
ミュージシャンという職業柄、体調管理は何より大事だと語る美雨さん。アンテナを張り巡らせ情報収集をし、自分に合うものを常に探しているという。その中で小さいころから変わらず続けているのが、漢方だ。
「もともと母が漢方を飲んでいたこともあり、今でも日常的に漢方を取り入れています。小さい頃は嫌だったけど、無数にある漢方薬の中から自分の症状に合わせて使い分けるというのが当たり前の環境で育ちました。自宅には漢方薬のセットがあり、ちょっとした不調のときに頼りにしています。私の娘も今や自ら進んで漢方薬を飲むようになりました。」
出産を経て体調を崩す女性も少なくないが、美雨さんがそこまで大きな変化を感じなかったのは、自分の不調との付き合い方、その時々の対処法をよく知っていたからかもしれない。
「漢方のように、昔から続けてきたことやナチュラルなものだけではなく、最先端の美容にも興味津々! いつも新しい情報を取り入れて、その中から自分に合うものを見つけています。世の中にいいものはたくさんありますが、闇雲に全部取り入れても仕方がない。面倒くさがりの自分でも無理なく続けられるものを見極めることが大事だと思っています」
プラスマイナスゼロでいい。続けられるものが、一番自分に合っている。
子育てと仕事を両立しながら多忙な生活を送る上で、自分にかけられる時間はやはり少なくなってしまうもの。スキンケアも食事も日々できることをしているという。
「周りに美容のプロの友人が多くいて、新しい情報や素晴らしい化粧品もたくさんもっているのに、メイクをしたまま寝落ちしてしまうこともしょっちゅう(笑)。先日、41歳の誕生日を迎えたのですが、前夜に娘から『40歳最後の日くらい顔を洗って寝ましょうねえ』と言われて(笑)。ケアをするときはしっかりしますが、そういう意味ではプラマイゼロかもしれませんね。普段のスキンケアはとてもシンプルです。その日によってアイテムを選んだり、新商品も積極的に使っています。
THREEのアイテムはもともと愛用していましたが、新しいクレンジング オイルジェルもすごく気に入りました。肌の上でジェルを滑らせているとオイルに変化していくのが気持ちよくて。もともとオイル美容が大好きなんです。基本的には夜、クレンジングするときに使っていますが、スクラブも入っているから、朝、小鼻などのざらつくところに部分的に使ったりも。最近、クレイ美容にハマっていたこともあり、肌表面の老廃物を吸着する天然クレイが配合されていることも惹かれた理由でした」
食事に関してもプラマイゼロの考え方で、外食をするときは好きなものを食べて、自宅では旬の食材や厳選した調味料を使った、野菜多めの地味ごはんだという。
「美味しいお味噌だったり、旬の野菜や果物だと娘もよく食べるんです。でも、そんなに好きならと旬が過ぎたあと食卓に出すと、急に食べなくなる。旬の食材をその時期だけ集中的に食べるのは、娘の離乳食で苦労した時に、どうしたら食べてくれるんだろう? といろいろ試して発見したことでした。子どもって、きっと思っているよりもずっと鋭いんですよね。味覚だけでなく、食べ物がもっているエネルギーみたいなものも一緒に吸収しているんだと思います。今では家でお味噌を一緒に手作りするようになりましたし、最近は娘がトマトソースを作ってくれるように。自分で野菜を選んだり、料理したりすると、食事自体に興味をもつようになり食べてくれるんですよね」
美しくいられるかは、自分の“心の機嫌”次第。
無理なく自分に合った美容法を実践している美雨さんには、どこか肩の力が抜けたリラックスムードが漂っている。そんな彼女の理想とする年の重ね方はあるのだろうか。
「あまり“自分の年齢に気がつかない”ようにしています。私自身、大人になっても苦手な事もたくさんあって、それが歌手として感性の部分では役に立っていることもあるのですが、もうすでに娘のほうが大人な部分もあると感じます。でも、無理に大人になろうとしないで、自分のダメな部分も前向きに受け止められるようになりました。自分に甘いともいえるのですが(笑)、自分がどんなふうに年をとりたいと考えるよりは、毎日楽しく、独自のバランスを取って生きていきたい。
若い頃と何が違うかって、自分なりにキレイな時と、そうでないときの差が激しいということ(笑)。それはどれだけケアをしたかよりも、自分の機嫌によるものが大きいですよね。肌の調子が悪くても、機嫌がよかったら肌がツヤツヤして見えるときもある。心と体と肌はつながっていて、昔はチグハグでも若さでごまかせていたものが、ある時からそうはいかなくなる。それが顕著に表れ始めたのが、私の場合は30代後半でした。自分の心に嘘をつかないように生きていく……そうすれば、私なりに美しくいられるのではないかと思っています」
その機嫌のよさとは、単に自分の中だけで成立するものではないという。家族や友人、仕事仲間など、他者と関わることで生まれるものだと美雨さんは語る。
「自分の周りにいる人に思いやりをもって接し、相手の機嫌をよくすることで、自分に返ってくるものだと思っています。自分が発するエネルギーが、少なからず周りに影響を与えている。逆に私も周りから影響を受けていて、相手とポジティブなエネルギーを交換し続けている……それを呼吸するように無意識にしているように感じます。一般的に自分を大切にするというと、頑張ったご褒美にケーキを食べたり、サロンに行ったり、自分の中だけで完結するようなイメージがありますが、人に何かを与えるということも、自分を大切にすることにつながっていくのではと思います」
最後に、美雨さんにとって美しさとはどんなものかを伺った。
「美しさという言葉を聞いてパッと頭に浮かんだのは、みずみずしさ。自分の名前に“雨”という字が入っているせいか、もともと水がすごく好きで。飲んだり、見たり、環境に水があるのがとても心地いいんです。流れていて留まらないもの、光を反射するものに昔から惹かれます。肌のうるおいもそうですし。漠然としたイメージですが、そういうみずみずしさをもった人でありたいと思っています」
坂本美雨(ミュージシャン)
1980年、音楽一家に生まれ、東京とNYで育つ。1997年、歌手デビュー。
音楽活動に加え、執筆活動、ナレーション、演劇など表現の幅を広げ、ラジオではTOKYO FM他全国ネットの「ディアフレンズ」のパーソナリティを2011年より担当。村上春樹さんのラジオ番組「村上RADIO」でもDJを務める。
2020年、ユニット「おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)」待望のアルバム「よろこびあうことは」を発表。舞台『星の王子さま-サン=テグジュペリからの手紙』に出演。
動物愛護活動に長年携わり、著書「ネコの吸い方」や愛猫サバ美が話題となるなど、”ネコの人”としても知られる。一児の母であり、猫と娘との暮らしも日々綴っている。
@miu_sakamoto
心・からだ・肌から、まさに“みずみずしい”透明感を感じる美雨さん。
インタビュー後に、THREEのお気に入りアイテムをお聞きしました。